五日目 台北
博物院と買い物。
今日は一日ゆっくり観光と買い物をする予定だ。まずは故宮博物院に行ってみよう。
故宮博物院には第二次大戦時にかつての中華民国政府が北京と南京の博物院から戦火を逃れるために運び出した宝物が収蔵されている。運び出された宝物の総数は一〇〇万点とも言われている。広大な中国各地から集められた財宝のうち、台湾への撤退の際に政府が厳選した美術品であり、どの収蔵品も美術的歴史的な価値は計り知れない。
といってもちゃんとした知識があるわけでもないので、目当てはやはり故宮博物院の名物収蔵品である「白菜」と「肉形石」だ。「白菜」とは正確には「翠玉白菜」といい、これは白と緑に色のついた自然の石を白菜の形に彫刻したもので、緑の部分がちょうど白菜の葉のふちになるように仕上げられている。葉の部分には虫までとまっている。「肉形石」はこれも自然の石を加工したもので醤油で煮た豚の角煮そっくりという代物だ。
〜中略〜
ホテルの前に停めた自分のバイクを見たら、後ろのキャリアのあたりに何か紙切れが巻いてあった。レシートのような紙切れにはよく分からないが、停車とか、金額とか、といった単語が書いてある。ああ、これは駐車違反の罰金だな、とがっくりしながらよく金額を確認してみるとたった二〇元、六〇円程度だった。裏面には英語でコンビニで払って下さいと書いてある。何のことはない、ただの駐車料金の徴収らしい。ホテルからすぐ近くのコンビニで払い込みを済ませる。
ついでに何か買い物をして帰ろうと店内をうろうろしていると、珍しい酒を見つけた。小さなビンに無色透明の液体が入っていて、ラベルには高麗酒と書いてある。値段は少し高いが台湾の蒸留酒ならぜひ試してみたい。高麗酒の小ビンと、台湾ビールの缶、つまみに唐辛子の入りの辛いオデンを買って部屋に戻った。明日は台湾ツーリングの後半、西海岸を南下する。
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