二輪旅行

旅行、バイク、写真など。

陽朔香港旅行〜1〜 まずは香港へ

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Peach関空~香港線は早朝7時のフライトだ。自宅のある姫路から関空までおよそ2時間。そのためまだ真っ暗な姫路駅前のバスターミナルから4時発のバスに乗った。このバス、LCC対応の新時刻表ということでまさしく今日から始まったバスだった。このバスが無ければ前夜から大阪で宿泊するか、空港まで車かバイクで行って旅行の間中の駐車場料金を払うかしなければならなかった。幸先の良い出だしともいえる。
バスは朝日の上る阪神高速を走り、熟睡中の客を数人乗せて、時刻通りに関空に到着した。 自動チェックイン機でチェックインを済ませてし
まうと特にすることはない。荷物は小さなリュック一個だけで預けるものもないのだ。
することがないのでさっさと出国審査をぬけて待合室でまたうちらうつらと眠った。ここにいれば乗り遅れることもないだろう。
 
7時、搭乗が始まった。これから香港まで飛び、それから陸路で中国大陸に入り、広西チワン族自治区まで行く。広西チワン族自治区では水墨画のような風景で有名な「漓江」という河を見に行くつもりだ。
 
Peachに乗るのはこれで何度目か忘れたが、前の席と膝が付きそうなシートピッチ、リクライニングなし(マナー的に)の状態で香港まで3時間は本当に疲れる。しかし片道の運賃はこの日でたった1万円ちょっとだった。新幹線で東京に行くよりも安いのだ。文句を言う筋合いはない。持って行ったKindle端末で本を読んでいるといつのまにか眠ってしまい、起きた時には薄曇りの香港国際空港に降りていくところだった。
 
香港に来るのは初めてだ。入国審査を済ませて当面必要になりそうな文だけ両替をして、とにかく街に出よう。ガイドブックで空港から市街への生き方を調べると列車で行くのが一番簡単そうだった。列車に乗るには切符を買わなくてはいけないが、現金で切符を買うよりもチャージ式のICカードを買う方が良いらしい。「オクトパスカード」「八達通」と呼ばれているカードで、地下鉄、バスはもちろんコンビニなどでも使える香港生活には切り離せない便利アイテムということになっているそうだ。市街地行きの列車のホーム近くに窓口があり、そこで150香港ドルで買うことができた。運賃分100香港ドル、カードのデポジットが50香港ドル。カードは旅行の終わりに返却することでデポジット分が受け取れる。
香港国際空港から市街までの列車は「機場快線」と呼ばれている。列車は分かりやすいが、香港は島が多く地上を通ったり海底のトンネルを通ったりと、慣れないと分かりにくい。香港は乱暴に大きく分けると、大陸と地続きの九龍(クーロン)、その向かいの香港島、空港のあるランタオ島がある。他にも細かい部分はあるが、今回立ち寄るのはこれだけだ。
空港から出ると初めての香港の風景が見える。海と山に挟まれた狭いところにびっしりと高層マンションが立ち並ぶ。途中何度か乗り換えをして、九龍半島の南の端、「尖沙咀(チムシャーツイ)」という駅で降りた。
 
今日は香港に宿泊せずにこのまま中国に行くつもりだが、せっかくの初香港だ。少しぶらっと歩いてみよう。
尖沙咀の駅から地上に出てみると、さっきとは変わってぎらぎらと太陽が出ている。やはりというか暑い。そして人が多い。ありとあらゆる人種の人が照り付ける日差しの下を闊歩している。Tシャツ半パンの白人観光客グループに交じって、びっしりスーツを着込んだインド人っぽいビジネスマン、ヒッピー風のアジア系、買い物袋を両手に下げた地元のオバチャンなどなど。
大通りを歩いていると一棟のガラス張りのビルが目に付いた。ここがかの有名なチョンキンマンションだ。重慶大厦(チョンキンマンション)は16階建のビルが5つくっついた形の建物で、内部には安宿が密集している。一階にはインド人や中東系の人たちがたむろし、カレー屋や両替屋が入っていて、バックパッカーならずとも旅行者なら一度は覗いてみたいみたい所だ。実は中国から帰ってきてからの数日間、ここに泊まるために予約もしているのだ。物価の高い香港で安い宿となるとここぐらいしか見つけられなかったのだが、この有名な重慶大厦に一度は泊まってみたいという気もあって早めに部屋を確保しておいた。
重慶大厦の向かいに立って上を見上げていると、入り口でたむろしていた浅黒い髭面の男が
「ゲストハウス? ミルダケ、ノープロブレム」
と声をかけてくる。旅行に来たなと実感して楽しくなってきた。
 

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重慶大厦のロビーを抜けて裏通りに出ると一軒の食堂があった。ちょうど昼時だったので何か食べて行こう。路上に置いた赤いプラスチックの椅子に座るとおばちゃんが写真付きのメニューを持ってきてくれた。牛肉野菜炒めと白いご飯を指さして注文する。街のざわめきを聞きながら火傷しそうなほど熱い野菜炒めを食べた。
 
つづく。
 
 

 ちなみに香港に行く前にアマゾンでこのSIMカードを買って行きました。香港と中国、両方で使えて便利です。