二輪旅行

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レンタルバイクで 台湾一周ツーリング 〜1日目〜

一日目 高雄到着
    まずはバイクを借りて走ってみよう。

Kaohsiung

 

台湾の南に位置する街、高雄(カオシュン)に格安航空会社ピーチの関西〜高雄便が到着したのは午後一時半だった。南国らしい肌にねっとりとまとわりつくような湿度と気温。台湾は沖縄本島より南、石垣島のすぐ西にあり、九州とほぼ同じ面積の島だ。首都は島の北に位置する台北タイペイ)、高雄は台湾第二の都市だ。

入国審査の列に並んでいる間に関西空港でレンタルしたWi-Fi機器の電源を入れて通信できるか確かめてみる。液晶にはちゃんと地元の電波を受信しているアンテナマークが五本とも立っている。日本から持って来た自分のiPhoneから接続してみると全く問題なくネットにつながった。パスポートに台湾のスタンプが押され、二〇一四年五月のゴールデンウィーク、台湾一周ツーリングの旅がスタートした。

 

 

バイクに跨がりセルスイッチを押すとストトト、と気持ちいい音で始動する。左右を確認して高雄の街へ走り出す。右側通行なので一瞬緊張するが走り出せばすぐに慣れる。勝手に前を行く他のスクーターをペースメーカーにして走ってみる。中央線寄りに四輪用の車線があり、外側がバイクと自転車の二輪車用車線だ。四輪車と分けてあるおかげで交通量のわりには走りやすい。四輪車と並走する場合も安心だし、信号待ちで先頭に出るのも簡単だ。もちろん路肩には駐車車両があったり、何かの屋台がはみ出していたり、自転車や歩行者、たまに逆走してくるバイクがあったりと注意していなければならないが、心配していたほど滅茶苦茶でもない。他のバイクと一緒になって走っていると、さっき高雄に着いたばかりなのにもうこの街の人間になったような気がしてくる。アクセルをちょっと開けてやれば、羽が生えたように知らない街でもすいすいと動き回れる。風を感じるなんて言うとありきたりだが、徒歩やバス、タクシーとははっきりと違う種類の旅だ。見知らぬ異国をこれから旅する高揚感で叫びたいほどいい気分だ。

 

〜中略〜

 

ガソリンスタンドが目についたので給油に入る。台湾では満タン返しという習慣は無い。なので借りたバイクはたいていの場合タンクは空なので、まずはガソリンスタンドに行ったほうがいい。適当な機械の前に行くと店員に身振りで「そこじゃない、あっちへ行け」と違う機械を指された。よく見るとそちらの機械にはバイクのマークと機車の文字がある。車とバイクで給油の機械を分けているらしい。

「ジョウウー! ジャーマン!」

九五のガソリンを満タンで、という意味だ。これも事前に調べておいた中国語の単語だ。店員さんは短く頷くと手早く給油してくれた。値段は機械に表示されるので簡単だ。

「謝謝」

「シェシェ」

おつりを貰ってバイクをガソリンスタンドの空いたスペースに停める。まだホテルに戻るには早い。少し練習してみよう。ガイドブックを開いて、近場で高雄の面白い観光ポイントがないか調べてみると、あった、ここに行こう。左営区という地区に、左営蓮池潭という大きな池があり、そこに龍虎塔という建物が建っている。二本ある塔のそれぞれの下に巨大な龍と虎が口を開けている。訪れた人は龍の口から入って虎の口から出てくるのがマナーという、よく分からない代物だ。龍と虎はそれぞれ台湾の人が考える最も縁起のいい動物と最も縁起の悪い動物で云々、と書いてある。よく分からないが、とにかく面白そうだ。

 

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レンタルバイクで台湾一周ツーリング

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