二輪旅行

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レンタルバイクで台湾一周ツーリング〜7日目〜

七日目 埔里〜日月潭阿里山〜台南
    山の寒さとグルメの街。

 

Taiwan food

六時頃、いつものアラームの音で目が覚める。そういえばドミトリーだったなと思ってさっと音を消したが、両隣にいる師匠と弟子はまったく起きてくる気配はなかった。それでもなるべく静かに荷物をまとめ部屋を出る。顔を洗ってトイレを済ませ、薄明かりの階段をロビーに降りる。ゲストハウス全体がまだ静かに寝息を立てているようだ。貴重品をロッカーから出し、キッチンのカウンターにあったバナナを一本いただく。

鍵のかかっていないドアを開けて外に出る。朝の住宅街はまだ人の気配もない。表に停めたままのバイクに跨がりエンジンをかける。ストトト、といつも通りの快調なアイドリング。誰にも会わずに出てきたけど「さようなら、また」と心の中で挨拶してアクセルを開ける

 

〜中略〜

 

阿里山を後にして道は一八号線に名前を変え、今度は西に向かう。とはいえ霧と小雨の山道はあいかわらず延々とカーブを繰り返し、滑りやすい路面は緊張の連続だ。標高が下がるにつれ気温は上がってきたが、雨はしだいに強くなって、あたりに人家が見え始める頃には雨粒がパチパチとヘルメットを叩くようになってきた。

ところどころにお茶の葉を売る店がある。このあたりも茶葉の産地らしい。ある店の中では喫茶店のように落ち着いた雰囲気の中で大きな鉄瓶を前にしてゆったりとお茶を楽しむ人たちが見えたが、こちらは降り続く雨の中をただひたすら無心でバイクを走らせるだけだ。ほうほうの体で山から降りて、コンビニで缶コーヒーを買って休憩する。かじかんだ手を温めていると雨があがってきた。標高がだいぶ低くなったのだろう。気温も生暖かく感じられる。レインウェアを脱いでメットインスペースに押し込むとやや晴れ晴れとした気分になった。

 

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レンタルバイクで台湾一周ツーリング

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