二輪旅行

旅行、バイク、写真など。

陽朔香港旅行〜4〜 自転車を借りて陽朔郊外の散策

Yulong River

 

宿で少しゴロゴロしてから外に出かける。通りすがりに、自転車の荷台で肉まんを蒸しているのを買い食い。朝来た時は閉まっていた店が開店し始めて通りが騒々しい。観光客が予想以上に多く、中国人も多いが欧米人も結構見かける。

宿から少し離れた路地で営業していたレンタル自転車屋でマウンテンバイクを借りることにした。レンタル代は30元。町と近郊の観光スポットが載った地図をもらう。繁華街を抜けて交通量の多い車道に出た。まだ午前中だが結構暑い。他の観光客も自転車でぞろぞろと同じ方へ走っていくので何も考えずついて行ってみた。

川沿いの道をのんびり走る。途中、アルゼンチン人のグループと少し話したがそんなところからもやって来るのかと驚いた。川には観光客を乗せた竹の筏が幾つも浮かんでいて、ガイド兼筏の運転手が説明をしながら川下りをしている。

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ここは遇龍河という細い川で漓江の支流になる。流れは穏やかで風景は心地よい。

しかし、暑いのと貰ってきた地図の縮尺や位置関係がいい加減なのとで疲れてきた。もうすぐかなと思っていたポイントがまだまだだったり、知らない間に通り過ぎていたりでピンとこない。ひどい時には川の反対側だったこともあって使いえない地図だということが分かってきた。

 

一旦川から離れ違う方向へ行ってみることにする。大きな橋を渡って少し行くと「月亮山」という山に出た。この山の特徴は、何も説明はいらない。

Yueliang Shan

 

浸食作用か何かでそうなったのだろうが、不思議な光景だ。遠くから見ると本当にぽかんと丸い穴が空いている。

自転車を停めて山の麓にある公園入り口で入場料を払おうとしていると後ろから声をかけられた。赤いシャツに白いキャップのおばさんで、自転車の後ろの箱にジュースなどの飲み物が入っている。観光客相手に商売してるのかもしれない。中国語のよく分からない外国人というようなことは一切気にせずガンガン話しかけてくる。 なんとなく聞いていると話が読めてきた。

「ここの入場料は50元だけど20元でタダで入る方法教えてあげるから、こっちへついてきなさい」
別に30元をケチりたいとお思わなかったのだが、面白そうなのでついて行ってみることにした。おばちゃんの後について公園の周りに巡らされた塀に沿ってしばらく歩く。ブロック塀の一部が少し壊れた箇所があって、おばちゃんは塀の裂け目に足をかけてヒョイと塀に登りこっちだと言った。同じように塀を越えてみるとおばちゃんは竹藪の中のかすかに踏み跡のついた道を歩き出していた。塀の中に飛び降りておばちゃんについて歩く。おばちゃんは何か喋っているのだが僕の中国語の能力ではよく分からないが、どうも最近は見回りが厳しくなっていて、見つからないように注意しなければいけないとかなんとか。大丈夫だろうか。
5分ほど山道を歩くと少し上にコンクリートで舗装された歩道が見えてきた。ここから正規のルートだなと思っていると、突然前を歩いていたおばちゃんが引き返してきた。僕のそでを引っ張ってこっちに来いと言う。よく見てみると藪の向こうに警察のような制服を着た男が「おい!そこの!」と言いながらこっちに向かってやってくる。見つかってしまったようだ。おばちゃんと二人、そそくさと来た道を戻る。塀を乗り越えて道路に出たところでおばちゃんは気まずそうに笑いながら言った。
「運が悪かったね。ところで知り合いがすぐ近くで食堂やってるんだけどそこで食べていく?」
憎めないおばちゃんだ。しかし昼ごはんにはまだ早いし山にも行ってない。また後で、と返事して正規の門から入り直すことにした。

入場料を払い、登山道を歩く。しばらく行くと道端に小さな折りたたみの椅子を出して座っている制服の男がいた。さっきの見回りだ。こっちのことを覚えているかな、と思ったがチラリと見ただけで何も言われなかった。
急な山道を登って、月亮山の穴の下までは20分くらいで着いた。観光客が何人か休憩している。欧米人の家族連れもいた。

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石のベンチに座って休憩する。さすがに暑い。痩せたおばあさんがクーラーボックスを肩に下げて近づいてきた。飲み物を勧めてくるので水を買った。毎日ここまでこれを持って登ってくるんだろうな。

穴の下の日陰でで少し休んでから山を降りた。公園の門から外へ出るとあのおばちゃんがまだいた。ニコニコとしながら昼ご飯にするか?と聞いてくる。しかたない。どこで食べるとか決めていないし行くだけ行ってみよう。
今度は自転車でおばちゃんについていく。道路から少し入ったところにあるドライブインといった感じの店があり、すでに中国人家族などが円卓を囲んで食事中だった。おばちゃんは「じゃあ」という感じでどこかへ消えてしまった。
周りには特に食べられそうな店もないし、ここで食べていくことにした。

 

つづく