二輪旅行

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チェンナイで寝台バスに乗るまで|南インド旅行 07

2012年12月22日から2013年1月6日、南インドを中心に旅行してきました。

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(チェンナイのジョージタウン周辺)

マハーバリプラムを昼過ぎのバスで出発し、昨日来た道をチェンナイに引き返す。
今夜のチェンナイ発の寝台バスでマドゥライまで移動する予定だ。

チェンナイは見所が無いと言いつつも、2度と訪れる事も無いかと思うと寂しいので少し街を見て回ることにした。
チェンナイのモフジールバススタンドからトゥクトゥクでエグモア駅に行き、またローカル線でチェンナイフォートまで行ってみた。このあたりは旧市街となっていてゴチャゴチャとした店がひしめき合っている。何をするでなしにうろうろしてみたが、荷物を持ったままで苦痛なだけだった。

もう一度エグモア駅に戻り、駅前のカフェで休憩。ドーサという米粉で作ったクレープのようなものを食べる。これも後々しょっちゅう食べることになるが、パリパリしてとても美味い。エグモア駅前のトゥクトゥクの運転手に、バスストップの位置を聞く。そろそろ自分の乗るバスの場所まで移動したい。

実は全く知らなかったのだが、インドでは政府が運行しているガバメントバスと、沢山の旅行会社がそれぞれ運行しているプライベートバスの2種類がある。そしてガバメントバスとプライベートバスはバスターミナルが分かれている。今回乗るのはプライベートバスなのでターミナルが何処にあるか探さないと行けない。手元のバスチケットには運行する旅行会社の名前が書いてある。チケットを受け取ったとき、「チェンナイでこの旅行会社のバスストップを探しなさいよ」と言われていた。
トゥクトゥクの運転手に聞くと、この会社ならすぐそこの角を曲がったところにあるという事だったので行ってみる。確かに事務所はあったが、机と電話があるだけでバスが出る雰囲気ではない。
チケットを見せて、このバスは何処から出るのかと聞くと
「ここで待ってればいい。連れて行ってやる。」
と言われた。が、なにか腑に落ちない。バスは何処だ?と聞くと面倒くさそうに歩いて10分ほどのところの空き地へ一緒に行き、「このバスだ」と停まっているバスを見せられた。
ところが、それはただの観光バスでどう見ても寝台ではない。もう一度チケットを見せ、このバスじゃないはずだと文句を言うと、
「あ、このチケットのバスはここじゃなくてコヤンベドゥから出る」
と言い出した。やっぱり。しかし時間があまりない。
「コヤンベドゥってどこ?!」
「ここから遠い。バスで1時間かかる。」
旅行会社のおっさん達は面倒くさそうに「寝台じゃなくてもこのバスも結構快適だぞ」などと言い出す。こっちはすでに高い金を払ってるのになんで寝台バスをあきらめないと行けないのか。

流しのトゥクトゥクを捕まえ、「コヤンベドゥ!バススタンド!」で走ってもらった。
結局、コヤンベドゥというのはモフジールバススタンドの地名だったようで、昨日から何度も乗り降りしているバススタンドだった。
しかし、プライベートバスのスタンドは、モフジールバススタンドからさらに歩いて15分程のところにあり、出発の時刻ぎりぎりになんとか予約していた旅行会社の事務所に辿り着くことができた。

プライベートバスのスタンドはローカルバスと違い、新しい型の大型バスが所狭しと並び、長距離移動に備える乗客たちと運転手と、貨物を運びこむ人足とでごった返していた。長距離バスでお腹を壊すとややこしいなと思い、バスストップの売店でチャパティとチャイで軽い夕食。水だけ新しく買っておいていよいよ出発。

寝台車はバスの中を完全にベッドで作り直してある。真ん中の通路を挟んで片側がシングル、もう一方がダブルサイズ。そして全て2段になっていて上段に上がる梯子が付いている。
カーテンを引けばプライバシーも問題ない。日本の夜行バスもこういうのがあれば良いのにと思ったが法律で難しいのかもしれない。
それより気になったのはダブルサイズの方だ。バスを予約した時、パソコンの画面を見て空席を選ぶシステムになっていたが、ダブルサイズの方は片方づつ別に予約できるようになっていた。
ということは、一人でダブルの片方を取っていたら、後から全然知らない人が同じベッドに乗り込んでくるという事もある。予約済みの席にはそこに居るのが男性か女性かが分かるようになっていたので、異性で知らない人同士がかぶらないようにはされているみたいだが、それでもちょっと驚いた。

とにかく、バスのベッドを確保した安心で出発するとすぐに眠ってしまった。

つづく。